明治43年
相撲茶屋の火事。10日午後9時10分、国技館前相撲茶屋武蔵屋と白豊の間から発火、茶屋十戸の二階を焼いて10時に鎮火した。損害は些少であるが、目下国技館は菊花陳列中であるため、一時付近は非常に混雑した。
(解説)
国技館新設で館外に移設された相撲茶屋は、従前の14から20に増加したが、茶屋建物の間隔が狭すぎるとして開館直前に当局より指摘があり、急遽一部を取り壊すなどの騒ぎもあった。明治43年夏場所に改めて塗家建に新築されるも、その直後のこの火事であった。ただし、被害が小さく済んだのは改築のお陰であろう。
ちなみに、この火事の後、国技館新築で同所から谷中に移された豊国稲荷の祟りではないかとの噂が広まり、同年12月に改めて館内に祀る事になった。現在も国技館正面にある豊国稲荷大明神の発祥である。こんなところで現在に繋がるのは歴史の面白さである。
写真は開館当初の両国国技館。
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